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アブラムシはどこから来るのか調査!侵入経路と原因、簡単な対策法

気づけば大切な植物にびっしりと群がっているアブラムシ。「昨日までいなかったのに、一体どこから来たの?」と、その発生源に頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。アブラムシの対策は、失敗や後悔を避けるためにも、その生態を正しく理解することから始まります。

アブラムシの主な侵入経路は、風に乗って飛んでくるものから、購入した苗に付着しているケースまで様々です。そして、驚異的な増殖スピードも、アブラムシが厄介な害虫とされる大きな理由の一つです。また、アリとの共生関係や、アブラムシが特に好む環境、狙われやすい植物の種類を知ることも、効果的な対策には欠かせません。

この記事では、テープなどを使った簡単な物理的駆除の方法から、家庭で試せる手作りスプレーの注意点、さらにはテントウムシのような天敵・益虫の力を借りる生物的防除、意外と知られていない光による予防策、そして最も重要ともいえる根本的な環境改善まで、アブラムシ対策の全体像を分かりやすく解説していきます。

ポイント

  • アブラムシが庭に現れる主な侵入経路

  • アブラムシが爆発的に増える生態的な理由

  • 農薬に頼らない具体的な駆除と予防の方法

  • アブラムシを寄せ付けないための環境づくりのコツ

アブラムシはどこから?発生と増殖の謎

  • 羽の有無で違うアブラムシの侵入経路

  • 驚異的なアブラムシの増殖スピード

  • アブラムシとアリとの共生関係とは

  • アブラムシが好む環境になってない?

  • アブラムシに狙われやすい植物の特徴

羽の有無で違うアブラムシの侵入経路

アブラムシがどこからやって来るのか、その侵入経路は主に2つのタイプに分けられます。それは、羽を持つ「有翅型(ゆうしがた)」と、羽のない「無翅型(むしがた)」の存在です。

春や秋になると、有翅型のアブラムシが風に乗って長距離を移動し、新しい住処を求めて庭やベランダに飛来します。体長2~4mmと非常に小さいため、飛んでいる姿を目で確認することは困難です。知らないうちに植物にたどり着き、そこから繁殖を開始します。

一方で、無翅型のアブラムシは飛ぶことができません。こちらの主な侵入経路は、購入した草花の苗や野菜の苗、新しい用土などに最初から付着しているケースです。また、近隣の植物や雑草から歩いて移動してきたり、後述するアリによって運ばれてきたりすることもあります。

さらに、アブラムシは越冬できる点も侵入や発生の原因となります。多くの種類は、秋に植物の枝や芽のすき間に卵を産み付けます。この卵が冬を越し、春に暖かくなると孵化して活動を始めるのです。

前年にアブラムシが発生した植物は、翌年も注意深く観察することが大切になります。

驚異的なアブラムシの増殖スピード

「少ししかいなかったはずなのに、数日でびっしり増えている」という経験は、アブラムシの被害で最もよく聞かれる話です。この背景には、アブラムシの持つ驚異的な繁殖力が関係しています。

アブラムシの生態で特筆すべきは、春から秋にかけてメスだけで子どもを増やす「単為生殖(たんいせいしょく)」を行う点です。交尾の必要がないため、1匹でも侵入を許すと、そこから爆発的に個体数を増やすことが可能です。

加えて、多くの種類は卵を産むのではなく、メスの体内で卵を孵化させてから幼虫を産む「卵胎生(らんたいせい)」という繁殖形態をとります。これにより、卵の期間を省略できるため、世代交代のサイクルが非常に速くなります。条件が良ければ、幼虫は生まれてからわずか10日前後で成虫になり、すぐに次の世代を産み始めることができます。

ある試算によれば、1匹のメスが1日に数匹から十数匹の子どもを産み、それがネズミ算式に増えていくため、1ヶ月後には数千倍から数万倍にまで増える可能性があるとされています。このすさまじい増殖スピードこそが、アブラムシ対策を難しくしている最大の要因と考えられます。

アブラムシとアリとの共生関係とは

植物の茎や葉に、アブラムシとアリが一緒にいる光景を見たことはないでしょうか。これは偶然ではなく、両者がお互いに利益を得る「共生関係」を築いているからです。この関係性を理解することは、アブラムシ対策のヒントになります。

アブラムシは植物の汁を吸って栄養を得ていますが、その際に余分な糖分を含んだ「甘露(かんろ)」と呼ばれる甘い液体を排泄します。アリは、この甘露を貴重な食料として求めてアブラムシの周りに集まってきます。

その見返りとして、アリはアブラムシの用心棒の役割を果たします。アブラムシの天敵であるテントウムシやヒラタアブの幼虫などが近づくと、アリは集団で攻撃して追い払い、アブラムシを守るのです。中には、アブラムシを新しい餌場となる植物まで運んであげるアリもいるほどです。

このため、植物にアリが頻繁に行列を作っている場合は、アブラムシが発生しているサインかもしれません。アリを追い払うだけでは根本的な解決にならず、アブラムシ自体を駆除しない限り、この共生関係は続いてしまいます。逆に言えば、アブラムシを駆除することで、アリも自然と寄り付かなくなることが多いです。

アブラムシが好む環境になってない?

アブラムシが特定の植物にだけ大量発生するのは、その場所がアブラムシにとって非常に暮らしやすい環境になっている可能性があります。主な原因として、「日当たり・風通し」と「肥料」の2点が挙げられます。

まず、アブラムシは日当たりが悪く、風通しの悪い湿度の高い場所を好みます。植物の葉が密集して生い茂っている場所は、直射日光や雨風を避けられるため、アブラムシにとって格好の隠れ家であり、繁殖に適した場所となります。枝や葉の剪定を怠っていたり、株間を狭く植え付けたりすると、このような環境を作り出してしまいます。

次に、肥料の与えすぎ、特に「窒素(チッソ)肥料」の過多がアブラムシを呼び寄せる大きな原因です。窒素は植物の葉や茎を成長させるために不可欠な成分ですが、これが過剰になると、植物体内のアミノ酸濃度が高まります。

アブラムシはこのアミノ酸を好物としているため、窒素過多で柔らかく育った植物は、アブラムシにとって非常に魅力的なご馳走に見えてしまうのです。

植物を元気にしようと良かれと思って与えた肥料が、かえって害虫を呼び寄せる原因になることもあるため、肥料は各植物の規定量を守って適切に施すことが大切です。

アブラムシに狙われやすい植物の特徴

アブラムシは多くの植物に寄生しますが、中でも特に狙われやすい植物にはいくつかの共通した特徴があります。ご自身の庭やベランダの植物がこれに当てはまるか確認してみましょう。

最も大きな特徴は、柔らかい新芽や若葉、つぼみを好む点です。硬くなった古い葉よりも、これから成長する柔らかい部分の方が、アブラムシにとって口針を刺して汁を吸いやすいためです。そのため、春先に次々と新芽を出す植物は特に被害に遭いやすくなります。

具体的に、アブラムシが発生しやすいとされる植物の例は以下の通りです。

分類

具体的な植物の例

草花

バラ、アジサイ、ペチュニア、チューリップ、ユリ、キクなど

野菜

トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ダイコン、カブなど

果樹

ウメ、モモ、リンゴ、ナシ、クリ、柑橘類など

庭木

モミジ、ムクゲ、イヌマキなど

これらの植物は、あくまで発生しやすい一例であり、他の多くの植物にも寄生します。特に、品種改良によって花が大きく豪華になったものや、成長が早い野菜などは、柔らかい部分が多いため注意が必要です。毎年同じ植物が被害に遭う場合は、その植物がアブラムシにとって特に好ましい条件を備えていると考えられます。

アブラムシはどこから来るか知って対策をする

  • まずは試したい物理的駆除の方法

  • 家庭でできるアブラムシの手作りスプレー

  • アブラムシの天敵・益虫を味方に

  • 意外と効く光による予防のポイント

  • 根本的なアブラムシ対策は環境改善

  • アブラムシはどこからか知り予防しよう

まずは試したい物理的駆除の方法

アブラムシを発見した際、数がまだ少ない発生初期の段階であれば、薬剤を使わずに物理的に取り除く方法が有効です。手軽に試せる一方で、植物を傷つけないよう注意が必要な側面もあります。

テープ類で取り除く

最も手軽なのは、粘着テープを利用する方法です。セロハンテープやガムテープなど、粘着力の弱めのテープを指に巻きつけ、アブラムシがいる場所に軽く押し当ててペタペタと貼り付けて取り除きます。粘着力が強すぎると、植物の葉や茎を傷つけてしまう恐れがあるため注意しましょう。

歯ブラシなどでこすり落とす

使い古しの歯ブラシや、柔らかい筆などを使って、アブラムシを優しくこすり落とす方法もあります。特に茎の部分に密集している場合に有効です。ただし、新芽などのデリケートな部分は避けるべきです。取り除いたアブラムシが地面に落ちて再び植物に登ることのないよう、下に受け皿を用意すると良いでしょう。

水流で洗い流す

ホースのシャワー機能などを使い、少し強めの水流でアブラムシを洗い流す方法も効果的です。特に葉の裏側に潜んでいるアブラムシを狙って水をかけると、多くを落とすことができます。この方法は植物への負担が比較的少ないですが、湿気を嫌う植物には多用しない方が賢明です。また、洗い流したアブラムシが他の株に移らないよう、周囲の状況にも配慮が必要です。

これらの物理的駆除は、あくまで発生初期の対処法です。大量に発生してしまった場合は、これらの方法だけでは根絶が難しく、他の対策と組み合わせることが求められます。

家庭でできるアブラムシの手作りスプレー

薬剤の使用に抵抗がある場合、家庭にある身近なもので撃退スプレーを作る方法が知られています。手軽に試せるメリットがある一方で、植物への影響や効果の持続性には注意が必要です。使用する際は、必ず目立たない部分で試してから全体に散布することをおすすめします。

牛乳スプレー

牛乳を水で薄めずに、そのままスプレーボトルに入れてアブラムシに直接吹きかける方法です。牛乳が乾く際にできる膜がアブラムシの呼吸器官である気門を塞ぎ、窒息させる効果が期待できるとされています。散布後は、牛乳が腐敗して悪臭を放ったり、カビが発生したりする原因になるため、乾いた後に必ず水で丁寧に洗い流す必要があります。晴れた日の午前中に行うのが適しています。

石鹸水スプレー

無添加の石鹸を水に溶かしたものや、食器用洗剤を数滴水で薄めたものをスプレーする方法です。これも牛乳と同様に、石鹸の成分がアブラムシを覆い、窒息させる効果を狙ったものです。ただし、植物によっては石鹸の成分が葉にダメージを与えることがあります。また、使用後は牛乳スプレーと同様に、水で洗い流すことが推奨されます。

木酢液・竹酢液スプレー

木酢液や竹酢液は、木炭や竹炭を作る際に出る煙を冷却して液体にしたものです。これ自体に殺虫効果はありませんが、独特の燻製のような香りをアブラムシが嫌うため、忌避効果が期待できます。製品の規定に従って水で希釈し、植物全体に散布します。土壌改良効果もあるとされていますが、濃度を間違えると植物に害を与える可能性があるため、使用方法は必ず守りましょう。

これらの手作りスプレーは、効果が一時的であったり、天候に左右されたりするデメリットもあります。あくまで補助的な対策と捉え、継続的な観察と他の予防策を組み合わせることが大切です。

アブラムシの天敵・益虫を味方に

私たちの庭や畑には、アブラムシを食べてくれる頼もしい味方、「天敵」や「益虫」が存在します。化学農薬の使用を減らし、自然の力を借りて害虫をコントロールする「生物的防除」という考え方です。

代表的な天敵は、以下の昆虫たちです。

益虫の種類

特徴

テントウムシ

成虫も幼虫もアブラムシを大好物とします。特にナナホシテントウやナミテントウは、1匹で1日に数十匹から百匹以上のアブラムシを捕食すると言われています。

ヒラタアブ

成虫はハチに似ていて花の蜜を吸いますが、その幼虫はウジ虫のような見た目で、アブラムシを捕食する有力な天敵です。

クサカゲロウ

成虫は儚げな姿ですが、その幼虫は旺盛な食欲でアブラムシを食べます。「アリジゴク」に似た姿をしています。

寄生バチ

アブラムシの体内に卵を産み付けます。孵化した幼虫はアブラムシの内部から体を食べて成長し、最終的にアブラムシは「マミー」と呼ばれるミイラ状になって死んでしまいます。

これらの天敵を庭に呼び込むためには、彼らが好む環境を作ることが鍵となります。例えば、多様な植物を植えることで、天敵たちの隠れ家や蜜源を提供できます。特に、カモミールやディル、コリアンダーといったセリ科やキク科の植物は、天敵を引き寄せやすいコンパニオンプランツとして知られています。

注意点として、殺虫剤をむやみに散布すると、害虫であるアブラムシだけでなく、これらの有益な天敵まで殺してしまいます。天敵の力を借りたい場合は、薬剤の使用は局所的に留めるなど、慎重な判断が求められます。

意外と効く光による予防のポイント

アブラムシは、特定の光を嫌う習性を持っています。この習性を利用した予防策は、手軽で環境への負荷も少なく、試してみる価値があります。

最もよく知られているのが、キラキラと反射する光を利用する方法です。有翅アブラムシは、飛来する際に太陽光を目印にしますが、地面からの強い反射光があると方向感覚を失い、植物に寄り付きにくくなると言われています。

具体的な方法としては、植物の株元にシルバーマルチ(銀色の農業用フィルム)を敷くのが効果的です。家庭菜園などでは、アルミホイルを土の上に敷き詰めたり、短冊状に切ったものを吊るしたりすることでも代用できます。この方法は、アブラムシが付きやすい葉の裏側に下からの光を当てることで、アブラムシが隠れる場所をなくす効果も期待できます。

もう一つは、紫外線をカットする方法です。アブラムシを含む多くの昆虫は、紫外線を認識して飛行や行動の指標にしています。そのため、ビニールハウスなどの施設栽培では、紫外線をカットする機能を持つフィルムを利用することで、アブラムシの侵入を抑制する技術が使われています。

ただし、これらの光を利用した対策は、あくまで飛来する有翅アブラムシに対する予防策です。すでに植物に定着してしまった無翅アブラムシや、卵から孵化した個体には効果がありません。また、植物の成長に伴って葉が茂り、地面が覆われてしまうと効果が薄れるため、他の対策と組み合わせることが大切です。

根本的なアブラムシ対策は環境改善

これまで様々な駆除・予防法を紹介してきましたが、最も重要で根本的な対策は、アブラムシが発生しにくい「環境改善」です。アブラムシが好む環境をなくし、植物自体を健康に育てることで、被害を未然に防ぐことができます。

風通しと日当たりの確保

前述の通り、アブラムシは風通しが悪く湿気がちな場所を好みます。植物の株間を適切に空けて植え付け、成長に応じて混み合った枝葉を剪定することが非常に大切です。これにより、株元まで日光が届き、風が通り抜けるようになります。健康な植物は病害虫への抵抗力も高まります。

適切な肥料管理

窒素肥料の与えすぎは、アブラムシを呼び寄せる大きな原因となります。植物の成長に必要な栄養素ですが、過剰になると植物が軟弱に育ち、アブラムシの格好の餌食となってしまいます。肥料は製品に記載された規定量を守り、特に窒素・リン酸・カリのバランスが取れたものを選ぶように心がけましょう。有機肥料を使用する場合も、与えすぎには注意が必要です。

雑草の管理

庭や畑の周りの雑草は、アブラムシの隠れ家や発生源となることがあります。特に春先は、まず雑草で増えたアブラムシが、育てている植物に移ってくるケースも少なくありません。定期的に雑草を取り除くことで、アブラムシの温床をなくし、風通しを良くする効果も期待できます。

これらの環境改善は、アブラムシだけでなく、他の多くの病害虫の予防にも繋がります。日々の地道な管理こそが、健康な植物を育てる一番の近道と言えるでしょう。

アブラムシはどこからか知り予防しよう

  • アブラムシの侵入経路は主に風に乗って飛来する有翅型と苗などに付着した無翅型がある

  • 冬を越した卵が春に孵化することも発生原因の一つ

  • メスだけで増える単為生殖と卵胎生により驚異的なスピードで増殖する

  • アリはアブラムシの出す甘露をもらう代わりに天敵から守る共生関係にある

  • 風通しが悪く湿気がちな場所はアブラムシの温床になる

  • 窒素肥料の与えすぎはアブラムシを呼び寄せる

  • バラやナス科の野菜など柔らかい新芽を出す植物は特に狙われやすい

  • 発生初期はテープや水流による物理的駆除が有効

  • 牛乳や石鹸水のスプレーは使用後の洗い流しなど注意が必要

  • テントウムシやヒラタアブなどの天敵はアブラムシの有力な捕食者

  • 天敵を呼ぶには多様な植物を植え殺虫剤の多用を避ける

  • 株元のアルミホイルなど光の反射を利用して飛来を予防できる

  • 最も重要な対策は剪定や適切な施肥による環境改善

  • 周囲の雑草管理もアブラムシの発生源を減らす上で大切

  • 複数の予防策を組み合わせることが効果的な対策の鍵となる

 
 
 
 
 
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